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高杉晋作と妻まさ [上海渡航前]

高杉晋作と妻まさ




1860年(安政7年=万延元年)1月23日
晋作この時まだ20歳で結婚します。



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お相手は奥番頭の一人 井上平右衛門(へいえもん)の娘・雅(まさ)です。
雅この時16歳。
萩城下一の美人と噂されていました。




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http://baisho.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-...






父・小忠太はこの可燃性の高い、いつ暴走するかわからない息子のことが
心配で心配で堪りません。
何とか晋作を落ち着かせようといつも心を砕いていました。






今回、晋作を萩へ呼び戻したのも松陰との交流に不安を持ち、攘夷運動
の立ち上げに躍起になっている書生グループとの関係が深くなるのを恐れ
たからでした。





父・小忠太は晋作の少年時代から何を仕出かすかわからない鬱懐(うつかい)
のようなものが晋作の中に潜んでいるのを知っていました。






この高杉家の話題は常に晋作の心配ばかりで占められていました。
祖母などは一年中、晋作の風邪のことばかりを気遣っていました。
晋作は子供の頃から気管支が弱く、風邪をひくとなかなか治らなかった
そうです。





そういえば、晋作の最期は労咳が原因でしたね。
剣術の稽古で身体を鍛えていたから何とかもっていたものの、本来は
体力的には無理が効かない体質だったはずではないでしょうか。






また勝手に想像してしまうのですが、咳をする度に晋作は自身の寿命が
普通にはないんじゃないかと思っていたりしたんじゃないでしょうか。






ただでさえ短いこの命を燃やし尽くす何かを求めていて、そして師・松陰
との出会いで自分の生きる道を見出した思いがあったのではないでしょうか。






生き急ぐ・・・という感覚が松陰の言う「・・・死して不朽の見込みあらば、
いつでも死ぬべし」という言葉や他の言動に見事に反応したのでは・・・。





時は幕末、西洋列強の日本侵略の脅威に全ての行動に命を捨ててかかっていく
以後の晋作ですがその性格、素質に加えて幼少期からの身体の状態も案外
関係したのでは、と考えます。
考えすぎですかね?(笑)





さて父・小忠太は息子・晋作の操縦法を心得ています。
晋作は親に対する「孝」と藩主に対する「忠義」に関しては決しておろそかに
しない性質を強烈に持ち合わせているのです。
見かけとは大違いなんです。





ですから晋作が過激な行動に出る前にどんどん自分の元へ呼び戻したり、
一人息子であることを理由に早く妻帯させようとします。





この時代、武士は早く子孫、跡取りを作り、家を続かせることこそが第一の
「孝」であったのです。
また、家の存続は主君に対する「忠義」を持続するための必須条件でも
ありました。






攘夷運動に対する思いがある晋作にとっては妻帯は足かせになり兼ねない
ものでしたが、こういうアプローチで父から迫られると断り切れません。





しかし晋作、ここで割り切ります。
子孫を作ることが「孝」であるなら、それだけは受け入れよう。






すでに松陰の死を知って、師の後継者は自分である、と決意していた晋作
です。
ここはとりあえず親に「孝」を尽くしておこう・・・と。






また、それは図らずも師・松陰が晋作に宛てた手紙の中の「・・・まず
孝を尽くしなさい・・・」との内容に合致するものでした。






城下一の美人か・・・いいなぁ、なんて思いますが。






晋作のすごいところは美人の妻にも縛られず、自分の信じた道を結局は
ひた走るんですね。






二人の結婚生活は晋作が没する29歳までの約8~9年間ですが、実質的には
1年半あるかどうからしいです。






せめてもの救いといいますか、1864年(元治元年)10月に一人息子の梅之進
(うめのしん)をもうけたことでしょうか。






大正の世になって雅は雑誌のインタビューに答えて「私は高杉と一緒にい
ましたのは、ほんのわずかの間で、その間、東行はいつも外ばかり出てい
ました上、亡くなりましたのが未だ29というほんの書生の時でございまし
たから、私には何にも東行についてお話する記憶がありません」・・・
と述べています。






いやー、妻としては何とも寂しい思いをされたのでは、とつい同情してし
まいますね。






外にいる晋作から数少ない手紙が雅に届いています。
雅は生涯それを大事にしていたそうです。
昔の女性って本当にけなげです。






今の日本でけなげなのは"なでしこJAPAN"ぐらいですかね?
(言い過ぎでしたらすみません)






ともかく、我らが晋作、自分の道を突き進むことになります。






以下、次項に続けます。





ご精読ありがとうございました。






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